【ステンレス研磨】バフ研磨とは?原理・手順・仕上げの種類

Home コラム一覧 【ステンレス研磨】バフ研磨とは?原理・手順・仕上げの種類

【ステンレス研磨】バフ研磨とは?原理・手順・仕上げの種類

【ステンレス研磨】バフ研磨の原理・手順・仕上げの種類について

金属の表面を美しく輝かせる表面処理技術の中でも、研磨は欠かせない工程です。研磨には様々な方法がありますが、中でも「バフ研磨」は金属に美しい鏡面仕上げを与えることができる技法として知られています。
こちらでは、バフ研磨の仕組みや手順、そして仕上げの種類についてご紹介します。ステンレス研磨を依頼しようとお考えであれば、東陽理化学株式会社にご相談ください。

バフ研磨の原理と手順

バフ研磨の原理と手順

バフ研磨とはなにか。こちらでは、バフ研磨の原理と手順について詳しくご紹介します。

バフ研磨の原理

バフ研磨は「バフ」と呼ばれるホイール状の研磨道具を高速回転させ、ワークに押し当てて表面を研磨する加工方法です。このとき、バフとワークの間に発生する摩擦熱と研磨剤の働きによって微細な切削が行われ、表面の凹凸が削り取られます。
バフには、綿布やフェルトなど様々な材質、形状、硬さのものがあります。また、研磨剤も用途や研磨対象によって、使い分けられます。
バフ研磨の研磨力は、以下の3つの要素によって決まります。

バフの回転数

回転数が上がるほど、研磨力は強くなります。ただし、摩擦熱も大きくなるため、ワークの材質や形状に注意が必要です。

バフの押し付け圧力

圧力が強いほど、研磨力は強くなります。しかし、過度な圧力はワークの表面を傷つけたり、変形させたりする可能性があります。

研磨剤の粒度

粒度が粗いほど、研磨力は強くなります。ただし、表面に傷が残りやすくなるため、仕上げには細かい粒度の研磨剤を使用します。
これらの要素を調整することで、ワークの表面状態や求められる仕上がりに応じた研磨を行うことができます。

工程1:荒研磨(バリ取り・目消し)

バフ研磨の工程は、研磨対象物の表面状態や最終的な仕上がりの目標によって手順が異なります。しかし、多くの場合最初の工程として「荒研磨」を行います。
荒研磨では、主に以下の2つの作業を行います。

  • バリ取り:プレスレス加工や切削加工などで生じたバリを除去する
  • 目消し:傷や凹凸の程度を研磨によって低減する

ステンレスの表面には、目視では確認できないレベルの微細な凹凸が存在します。荒研磨では、これらの凹凸を研磨によって除去して滑らかな表面に整えることで、続く工程でより美しい仕上がりを得やすくします。
荒研磨で使用されるバフは、主に「麻バフ」です。荒研磨は、バフ研磨の基礎となる重要な工程です。この工程でどれだけ丁寧に作業を行うかによって、最終的な仕上がりが大きく左右されます。

工程2:中間研磨(傷取り・光沢出し)

荒研磨である程度の傷やバリが取れたら、次は中間研磨に入ります。この工程は荒研磨で残った深い傷を消し、表面をより滑らかにすることで、次の仕上げ研磨で鏡面状態に近づけるための重要な工程です。
中間研磨では、荒研磨で使用した研磨剤よりも粒度の細かいものを用います。粒度が細かくなることでより繊細な研磨が可能となり、表面の傷を目立たなくできます。また、この工程である程度の光沢が出てきます。
バフは、主に「綿バフ」を使用します。
中間研磨を行う際の注意点は、研磨圧力を一定に保ち、バフを動かし続けることです。研磨圧力が強すぎたり、バフを同じ場所に当て続けたりすると摩擦熱が発生し、ワークの表面が変色したり、歪んだりする可能性があります。
中間研磨が完了したら表面をきれいに清掃し、仕上げ研磨へと進みます。

工程3:仕上げ研磨(鏡面仕上げ)

仕上げ研磨は中間研磨で作り上げた表面をさらに磨き上げ、鏡面のような輝きを出す工程です。この工程では、主にウールバフやスポンジバフといった柔らかい素材のバフと、微粒子の研磨剤を組み合わせて使用します。
これらのバフは研磨力が穏やかなため、素材に余計な傷をつけることなく、滑らかで美しい鏡面を作り出すことができます。仕上げ研磨によって製品の美観が向上するだけでなく、表面の平滑性が増し、耐食性や防汚性の向上にもつながります。
仕上げ研磨を行う際の注意点は、バフを一定速度で動かしながら研磨することです。一カ所を集中的に研磨してしまうと、ムラや歪みの原因となるため注意が必要です。また、研磨カスや飛散した研磨剤はこまめに取り除くことも重要です。

バフ研磨で実現する多彩な仕上がり

バフ研磨で実現する多彩な仕上がり

バフ研磨は、研磨方法や使用するバフの種類、研磨剤を変えることで様々な質感を作り出すことができます。こちらでは、代表的な仕上げ方である「鏡面仕上げ」と「サテン仕上げ」について解説します。

鏡面仕上げ:高級感と清潔感を演出

ステンレスの研磨方法の中でも、鏡面仕上げは高級感を演出する際に特に効果的な方法です。鏡面仕上げは、表面を滑らかに磨き上げることによって鏡のように光を反射する状態を作り出すことを指します。
鏡面仕上げがもたらす効果は、単に見た目が美しいだけにとどまりません。高級感を演出する以外にも、以下のようなメリットがあります。

清潔感のある印象を与える

光を規則正しく反射させることで、清潔で明るい印象を与えます。

耐腐食性の向上

表面を滑らかにすることで汚れや水分が付着しにくくなるため、錆にくいという特徴も持ち合わせています。

これらのことから、人目に触れる機会が多く、美観が求められる建築資材や、清潔感が求められる医療機器、衛生面が重視される厨房設備などに用いられています。

サテン仕上げ:落ち着いた雰囲気と上品さを表現

ステンレスの代表的な表面処理であるバフ研磨には、鏡面仕上げだけでなくサテン仕上げと呼ばれる方法も存在します。鏡面仕上げが鏡のように光を反射するのに対し、サテン仕上げは細かい線状の模様が施され、金属でありながら落ち着いた雰囲気を演出できるのが特徴です。鏡面仕上げのような華やかさはありませんが、落ち着いた光沢感が魅力です。
また、指紋や汚れが目立ちにくいという点も特徴です。鏡面仕上げに比べて表面に細かい模様が入っていることで、指紋や汚れが目立ちにくく、メンテナンスの手間が省けます。これは、日々のお手入れの手間を減らしたいと考える人にとって大きなメリットといえるでしょう。
さらに、サテン仕上げは光沢を抑えた落ち着いた雰囲気により空間に馴染みやすく、様々なデザインに調和します。主張しすぎることのない落ち着いた雰囲気は、どんな空間にも自然と溶け込みます。
サテン仕上げは、階段の手すりなどでよく使用されています。

東陽理化学株式会社は金属表面処理の専門会社です

ステンレス研磨の中でも、よく耳にする「バフ研磨」とは、研磨剤をつけたバフと呼ばれるホイール状の研磨道具を高速回転させ、製品表面を研磨する方法です。バフ研磨は、主に鏡面仕上げやヘアライン仕上げなど、表面に光沢を出すために用いられます。
バフ研磨の工程は単純ではありません。研磨剤の選定、バフの種類や硬さ、回転数や圧力の調整など、様々な条件を最適化する必要があります。

東陽理化学株式会社は長年培ってきたステンレス研磨技術で、お客様の製品を最高の輝きへと導く金属表面処理の専門会社です。私たちの使命はお客様のニーズを深く理解し、持てる技術を最大限に活用してその期待を超える結果をともに追求することです。丁寧なヒアリングを通して、お客様の疑問やお悩みを独自のプロセスでコンサルティングいたします。ヒアリングから納品まで、安心して任せていただけるサービスをお約束します。
金属表面処理の専門会社をお探しの企業様は、まずはお気軽にお問い合わせください。

ステンレス研磨、鏡面のことなら東陽理化学株式会社

社名 東陽理化学株式会社
本社工場所在地 〒335-0023 埼玉県戸田市本町3丁目6番16号
本社工場電話 048-442-6035(代表)
本社工場ファックス 048-442-6036(代表)
創業 昭和25年4月5日
設立 昭和36年4月3日
営業品目 [金属表面処理技術] 電解研磨・精密電解研磨・化学研磨・酸洗・特殊不動態処理
URL https://www.toyorikagaku.co.jp/