金属表面処理技術についての詳細は、お気軽にご相談ください。
金属は現代社会に欠かせない素材ですが、金属はサビやすいという性質があります。中にはステンレスなど「サビない金属」として知られているものもありますが、必ずしもサビないというわけではありません。サビは金属の強度や美観を損なうだけでなく、製品の寿命を縮めてしまう原因にもなります。
そんな金属のサビを防ぐ方法の一つが「表面処理」です。表面処理とは金属の表面に特殊な処理を施すことで、サビを防いだり、耐摩耗性を向上させたりする技術です。表面処理には、メッキや塗装など様々な方法がありますが、その中でもこちらでは「不動態化処理」について解説します。
一般的に「サビない金属」として知られているステンレスですが、必ずしもサビないわけではありません。ステンレスの表面に現れる赤錆は、鉄のサビと同様の成分です。
こちらでは、ステンレスのサビについて詳しくご紹介します。
一般的に「ステンレスはサビない」と思われていますが、厳密には必ずしもサビないわけではありません。ステンレスは、鉄を主成分としてクロムやニッケルなどを混ぜて作られた合金です。クロムが空気中の酸素と結合することで、表面に薄い酸化被膜(不動態皮膜)を形成し、これがサビの発生を抑える役割を果たします。この不動態皮膜は非常に薄いため、肉眼で見ることはできません。
ステンレスがサビにくいのは、この不動態皮膜による防錆効果があるためです。しかし、この不動態皮膜は様々な要因によって破壊され、そこからサビが発生することがあります。
つまり、ステンレスは「サビない」のではなく「サビにくい」金属であるということがわかります。ステンレスの特性を正しく理解し、適切なメンテナンスを行うことが、ステンレス製品を長く美しく保つために重要です。
ステンレスの表面には、目に見えない非常に薄い膜が存在しています。これが「不動態皮膜」と呼ばれるもので、ステンレスのサビにくさを支える重要な役割を担っています。
不動態皮膜は、ステンレス中に含まれるクロムと酸素が反応して形成されます。この膜は非常に緻密で安定しており、ステンレスの表面を覆うことで外部からの水分や酸素の侵入を防ぎます。
まるで鎧のようにステンレス本体を保護することで、サビの発生を抑制しているのです。
この不動態皮膜の厚さは、わずか1ナノメートル程度しかありません。これは、1マイクロメートルの1000万分の1という薄さです。
肉眼で確認することはできませんが、その小ささにもかかわらず、優れた防錆効果を発揮します。
ステンレスの表面を覆う極薄の膜である不動態皮膜。この膜は非常に安定しており、ステンレスの耐食性を支える重要な存在です。しかし、この膜は決して無敵ではありません。様々な要因によって破壊され、その結果ステンレスがサビてしまうこともあります。では、どのような場合に不動態皮膜は破壊されてしまうのでしょうか?
主な要因としては、以下のようなものがあげられます。
海水や潮風などに含まれる塩素イオンは、不動態皮膜を破壊する作用があります。
強酸性の物質は不動態皮膜を溶かし、ステンレスの腐食を引き起こす可能性があります。
ステンレスは高温に強い素材ですが、極度の高温環境では不動態皮膜が不安定になり、破壊されることがあります。
鉄粉や汚れなどが付着したまま放置すると、その部分が腐食し、不動態皮膜が破壊されることがあります。
ステンレス以外の金属と接触すると電位差が生じ、腐食が促進されることがあります。特に水分や塩分が存在すると、その影響は大きくなります。
これらの要因によって不動態皮膜が破壊されるとステンレスは本来の耐食性を失い、サビが発生しやすくなってしまいます。
ステンレスは、表面に形成される薄い不動態皮膜によってサビにくさを保っています。しかし、この皮膜は加工や環境によっては破壊されてしまうことがあります。そこで、不動態皮膜を人工的に形成・強化するのが「不動態化処理」です。
こちらでは、不動態化処理とは何か、目的やメリット、活用シーンをご紹介します。
不動態化処理は、ステンレスの表面に形成される不動態皮膜を人工的に形成または強化する表面処理です。この処理を行う主な目的とメリットとして、以下の点が挙げられます。
不動態皮膜を強化することでサビや腐食の発生を抑制し、ステンレス製品の寿命を延ばします。特に、塩素イオンを含む環境下での耐食性向上に効果を発揮します。
不動態化処理は、ステンレス表面の汚れや異物を除去する効果もあります。これにより、製品の外観を美しく保つだけでなく、汚染管理が求められる半導体製造装置や医療機器などの分野でも重要な役割を果たします。
不動態化処理は、ステンレス製品の品質と信頼性を向上させるために欠かせない処理といえるでしょう。
不動態化処理は、ステンレス製品の耐食性を向上させるために様々な場面で活用されています。特に、以下のような場面では、不動態化処理が不可欠となります。
手術器具、インプラントなど、人体に使用する医療機器は高い耐食性が求められます。不動態化処理を施すことで金属イオンの溶出を抑え、人体への影響を最小限に抑えることができます。
食品加工機器は常に水や薬品に触れるため、サビが発生しやすい環境にあります。不動態化処理を行うことでサビの発生を抑制し、食品の安全性を確保できます。
屋外で使用する建築材料は雨風や紫外線にさらされるため、劣化しやすいものです。不動態化処理を施すことで耐候性を向上させ、建物の寿命を延ばすことができます。
化学プラントでは強酸や強アルカリなどの腐食性物質を扱うことが多いため、設備の腐食が深刻な問題となります。不動態化処理はこれらの腐食性物質から設備を守るために、重要な役割を担っています。
これら以外にも、不動態化処理は自動車部品、航空機部品、電子部品など、様々な分野で利用されています。
不動態化処理はステンレス製品の品質を維持し、その寿命を延ばすために欠かせない表面処理技術といえるでしょう。
東陽理化学株式会社は、ステンレスの電解研磨をはじめとする金属表面処理の専門会社です。ステンレスの耐食性向上に不可欠な「不動態化処理」について、豊富な知識と経験を持っています。不動態化処理とはステンレスの表面に酸化被膜を形成させ、耐食性を向上させる処理のことです。ステンレスが持つ耐腐食性能をさらに強化し、長期間にわたり安心して使用できる状態を保つ役割を果たします。不動態化処理は、ステンレスの種類や用途に応じて適切に選定されます。
東陽理化学株式会社ではお客様のニーズをヒアリングし分析して、持てる処理技術と開発パワーを惜しみなく注いで、求められる目的用途を極限まで追求し解決することを使命と考えています。お客様の疑問やお悩みを独自のプロセスでコンサルティングし、ヒアリングから納品まで安心してお任せいただけます。
金属表面処理を依頼しようとお考えの企業様は、お気軽にお問い合わせください。
社名 | 東陽理化学株式会社 |
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本社工場所在地 | 〒335-0023 埼玉県戸田市本町3丁目6番16号 |
本社工場電話 | 048-442-6035(代表) |
本社工場ファックス | 048-442-6036(代表) |
創業 | 昭和25年4月5日 |
設立 | 昭和36年4月3日 |
営業品目 | [金属表面処理技術] 電解研磨・精密電解研磨・化学研磨・酸洗・特殊不動態処理 |
URL | https://www.toyorikagaku.co.jp/ |